これは、読むだけで大丈夫な回です。少し進んだ話で、私の「しくじり半分」の体験談です。
繋がなかったものの記事で、「良さそう、では道具を増やさない」と書きました。今日は、その反対——実際に別のAIを繋いでみて、分かったことの話です。
なぜ、別のAIを触ったのか
私が普段の相棒にしているのは、これまで書いてきたAIです。乗り換えるつもりは、ありません。
それでも、別のAI(ChatGPT)を、わざわざ入れて触ってみました。理由は一つ。私が仕事でお手伝いする方から、「ChatGPTって、どうですか?」と、必ず聞かれるからです。
そのとき、聞きかじりで答えるのではなく、「自分で触って、どこでつまずいたか」を語れるほうが、ずっと誠実です。だから、使うためではなく、説明できるように、初心者のまま触ってみることにしました。触ったのは、新しく出た「エージェント版」(AIが、ただ答えるだけでなく、実際に道具を動かしてくれる版)です。
つまずいた所(そのまま、あなたのつまずき)
入れた直後から、初心者がつまずく所に、次々ぶつかりました。
- 入れた瞬間、「他のAIアプリから、作業をインポートしますか」と勧められた。 便利そうですが、これを押すと、今使っているAIの中身を、新しいAIに吸い上げられる恐れがある。ここは、押さずに飛ばすのが正解でした。インストール直後の「親切な提案」ほど、一度立ち止まる。
- セットアップの「やることリスト」は、全部やらなくていい。 「6件中◯件」と急かされますが、無理に繋がない自由があります。
- 道具と繋ぐときは、一つずつ、許可の画面を必ず読む。 ある道具の許可には、英語で「Read and manage」——読む+操作する、という意味——と書いてありました。”読むだけ”ではなかったのです。便利さは、いつも「渡すデータの広さ」と引き換えでした。
どれも、派手な操作ではありません。便利そうな提案の前で、一度立ち止まって、何を渡すのかを確かめる。初心者の私にできたのは、それだけのことでした。
山場:繋いだら、お客様の資料が読まれた
いちばん肝を冷やしたのは、ここです。
試しに、書類の保管場所(クラウドのドライブ)を、このAIと繋いでみました。ドライブの連携は、いちばん広い。ほとんど全部のファイルが、AIから見えるようになります。
すると、あるお仕事の、お客様の資料一式——商品の戦略から、細かい数字まで——を、AIが読み込んで、要約してしまいました。要約そのものは、とても優秀でした。でも、同時にこういうことです。「お客様からの預かりものを、外のAIの会社に、読ませてしまった」。
人の鍵を預かる記事で、人の預かりものは、自分のものより一段慎重に、と書きました。その慎重さが、なぜ要るのか。それが、実データで、目の前で起きた。頭で分かっていたことを、身をもって知った瞬間でした。
だから、要らない時は「締める」
この体験で、一つ、はっきりしたことがあります。
正直に書くと、この連携は、勉強のためにまだ残してあります。でも、お客様の資料が入る場所との連携は、実験が済んだら、必ず締める(切る)と決めています。ここはまだ、私の宿題です。
繋いだら繋ぎっぱなしにしない。要らなくなったら、締める。繋がなかったものの記事の「困ってから、増やす」と、裏表の作法です。
便利と、怖いは、同じボタンの中にある
別のAIを触ってみて、いちばん伝えたくなったのは、これでした。
AIは、「便利」と「怖い」の両方を、同じボタンの中に持っています。連携のボタン一つが、仕事を助けもすれば、預かりものを外に出しもする。
分かれ道は、派手な知識ではありません。何が繋がるのかを、一つずつ見て、要らない時は締める。 その、地味な作法の側にあります。
初心者がつまずく所こそ、いちばん伝える値打ちがある。自分でしくじってみて、そう思いました。
